
みなさんこんにちは。
新型コロナウイルス感染症の影響で、外出や交流の機会が減る中、「#離れていてもつながれる」を合言葉に、
自宅や屋内でも育てられるようにと沿岸各地で配布したミニひまわり「ビッグスマイル」の栽培セット。
その開花情報が、8月後半になってやっと届き始めました。
開花したひまわりを撮影しようと、8月24日に宮古市を訪ねました。
まずお邪魔した田老地区は東日本大震災の高さ16㍍を超える津波で、海側の防潮堤が半分崩壊。
多くの犠牲者が出ました。今も新しい防潮堤の建設工事が続いており、
田老地区で被災した住民の多くは、2015年に造成が完了した高台の三王団地に移転し暮らしています。
その三王団地の一角にある、大棒レオ子さんのお宅では、咲いたばかりのかわいいひまわりが出迎えてくれました。
大棒さんが育てたひまわり
大棒さんは、自宅で手芸サークルゆいとり工房を主宰しています。まだ仮設住宅に住んでいた2012年に発足し、現在は8人で週3日集まり手仕事に励んでいます。
着物の古布を使ったチュニックや、帯を再利用したバッグなど、どれも素敵な作品ばかりです。
スマイルとうほくプロジェクトとも関わりが深く、仮設住宅のみなさんとグリーンピア三陸みやこで「スマイルいわて花畑」を作った際にも、参加者の皆さんのまとめ役をしてくださいました。
今年、岩手県内は梅雨明けしないまま夏を迎えたため、8月に入っても雨の日が続きました。
日照不足や害虫の影響もあり、大棒さんたちもひまわりを育てるのに苦労したとのこと。
それでも、自分たちで土を取り換えたり、栄養剤を与えたりと、全国の皆さんから届いたメッセージ
入りのポットに、何とかきれいなひまわりを咲かせようと、お世話をしてくれました。
写真撮影に応じてくれた大棒さんたちは、「ひまわりのように元気です」「また田老に来て下さい」とメッセージを書いていただきました。
田老の街並みを背景に写真撮影に応じてくれた大棒(左)ら、ゆいとりのみなさん
次に道の駅たろうにお邪魔しました。「道の駅たろう」は2018年4月、田老地区の高台から中心部に移転され装いも新たに開業しました。
軒を連ねる事業所の中にはスマイルとうほくプロジェクトのスタート時からお世話になっているお店もあります。
こちらでも、日照不足や気温がなかなか上がらないといった環境にも負けず、力強く花が咲かせていました。
道の駅たろうのみなさん
最後に市内中心部の鴨崎町にある舘合公営住宅にお邪魔しました。
宮古市社会福祉協議会のご協力もあり、「ひまわりをぜひ育てたい」と
お声を寄せていただいた皆様にお会いすることができました。
ここで、ビックリする出来事が起きました。時を遡ること20数年前。母の職場旅行で県内観光地を周遊したことがあります。
その際、一緒に旅行した方との奇跡的な再会がありました。
当時、まだ純真無垢な小学生だった私を今でも覚えてくれていて、「もしかして、中村さん?」と声をかけていただきました。
これもひまわりが繋いでくれた人のご縁だとしみじみ思ったのでした。
坂下さん、また伺いますね!
坂下さん(右から2人目)ほか舘合公営住宅のみなさん
9年前から毎年、全国各地の仲間の皆さんを迎えて見てきた満開のひまわり。
今年はそれが初めて途絶えた夏でした。
それでもまた何度でも、花は咲く。離れていてもつながれる。
まもなく震災から10年の節目を迎えます。
来年こそは、岩手で直接お互いの顔を見ながら交流し、
満開のひまわりのような笑顔の輪が広がる日が来ることを、心待ちにしています。
スマイルいわて事務局 中村、清水