
スマイルとうほく「レタスアートプロジェクト」に参加した奥中山中学校の3年生が秋の文化祭で、宮古市田老町の仮設住宅に暮らす人たちにレタスを届けた様子を演劇発表しました。
自分たちが暮らす地域のレタスが心と心をつなぐ架け橋になった喜びを表現。復興道半ばの被災地に足を運び住民の方々と言葉を交わした経験を通し、将来は人のために尽くせる人になろうと決意を伝えました。
同校は2013年から同プロジェクトに参加。今年は5月から7月にかけて活動しました。一戸町奥中山の畑で、レタスアートに取り組んでいるJA新いわて奥中山野菜生産部会レタス専門部の農家の方々と一緒に緑色と紫色のレタスを栽培。畑一面に大きなスマイルマークを形作りました。6月30日に収穫し、翌日に宮古市田老町の樫内仮設住宅に訪問。一戸一戸の玄関先を訪ねて、レタスを届けました。
演劇では、苗植えから1カ月が経過し、畑に立派に育ったレタスを見て「わあ、すごいきれいなスマイルマーク」と感激して収穫や箱詰め作業する様子などを紹介。レタスを届けるため宮古市田老町に訪ねた場面では、初めて目にした仮設住宅を前に「復興、復興と言うけれど、完全な復興には時間がかかりどうだね」と被災地に思いを深める様子を表現しました。
そして、慰労しようと思って訪ねたにもかかわらず、住民のみなさんから「遠くからわざわざありがとう」とねぎらいの言葉をもらい、心の持ちようが変化した瞬間を再現。「なんか笑顔を届けるプロジェクトなのに、自分が笑顔に、そしてなんか気持ちがいいな」と素直な思いを表しました。
レタスを宮古市田老に届け、被災地の実情を目の当たりにした生徒たち。一人一人が心で感じた思いを言葉にしました。
「4年前の津波の爪痕が生々しく残っていることに驚き、そして復興のなかなか進まない現状を知った」
「今、被災地が求めているのは支援ではなく、ちゃんとした町である」
「誰もそんなことは言わなかったけど、見ているとそんな気がする」
「穏やかな海も、実は命を奪った海であるということを知ると、なんか複雑な気持ちになる」
「自分たちの身近にあるなんでもないと思っていた奥中山のレタスが、とても貴重な体験へと導いてくれた」
奥中山中の今年の文化祭のテーマは「自由の翼」。3年生は演劇の最後に、レタスアートプロジェクトの経験を通し「これからどのような人になりたいか」を誓いました。
「私たちの翼は確実に進化している。未来へ向かってはばたこうとしている。しかし、その翼は、自分のためだけではなく、誰かのために使おうとしている」
◆表彰の数々
【親切実行章】レタスアートプロジェクトに取り組んだ奥中山中は11月21日、「小さな親切実行章」運動県本部(代表・高橋真裕岩手銀行会長)から小さな親切実行章を受けました。生徒会長を務めた岩本美里さん(3年)は「被災地でお会いした方々に喜んでもらい、表彰まで受けることができて誇らしい」と笑みを広げました。
【わたしの主張二戸地区大会】9月に二戸地区で行われた「わたしの主張二戸地区大会」で、レタスアートプロジェクトを通して感じたことを伝えた岩本美里さんが最優秀賞に輝きました。二戸地区の9中学校から10人が出場した中での最高賞です。岩本さんは、育てたレタスを宮古市の仮設住宅で配布した際、被災者の笑顔の中に深い悲しみを感じ取り、「本当の復興はまだ遠い。これからも被災地の情報に関心を持ち続けなければ」と訴えました。