
レタスの一大産地、岩手県一戸町奥中山の畑にスマイルマークを描き、採れたてを沿岸に届ける「レタスアートプロジェクト」が3年目を迎えました。26日は苗植え作業を行い、地元生産者や生徒、東日本大震災後に沿岸から内陸に移り住んだ人たち約70人がともに汗を流しました。
青空の下、新岩手農協奥中山支所レタス専門部の25アールの畑に赤色のサニーレタスと緑色のグリーンリーフ計2万2千株を定植。「スマイルいわて」の文字とスマイルマークを描きました。今年はマリーゴールドも植え、黄色い彩りも添えました。6月下旬には見ごろを迎えます。
奥中山中からは3年生29人が参加しました。赤、水色、オレンジなどのツナギを着てきた生徒もいて、作業着姿がとてもかっこよかったです。2年生のときは、授業で町内の生産者の畑で定植や収穫の経験をしているとのこと。いざ作業が始まると手慣れた手つきで苗を植えていました。
生徒たちは昨年、東日本大震災で大きな被害を受けた宮古市田老を訪問。「万里の長城」といわれた防潮堤すら津波で破壊された現地の様子を目にしました。それだけに沿岸の人を思う心は強く「おいしいレタスに育ってほしい」との願いを込めて苗植えに汗を流しました。
苗植えには、沿岸の古里を離れて内陸に暮らしている方々7人と、盛岡みたけ支援学校奥中山校中学部の9人の生徒が参加。同校の生徒はマリーゴールドの苗を植えました。
マリーゴールドの苗は、町内にある学校法人三愛学舎の生徒が手掛けました。三愛学舎は、知的障害がある生徒が学ぶ高等部単独の特別支援学校です。
障がいの有無を超えて、みんなが心を込めてレタスアートに汗を流す姿を見て、一戸町奥中山の懐の深さ、温かさを感じました。
スマイルいわてスタッフ 千葉隆治(岩手日報社)