それは、東北と日本中を笑顔でつなぐプロジェクト

「ツール・ド・東北2018」に参加して来ました

  • みやぎ
  • 2018年11月20日

 みなさんこんにちは!スマイルとうほくプロジェクト事務局、河北新報社の村上です。9月15日、16日の2日間、花王が協賛する「ツール・ド・東北2018」に参加して来ました。
「ツール・ド・東北」は東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県沿岸を自転車で走るファンライドで、今年で6回目の開催となります3,649名の参加ライダーには、三陸の風光明媚な自然を楽しんでもらいながら、復興が進み変わりゆく現地の様子を肌で感じてもらうイベントです。そして沿道では多くの地元の方々が、全国から参加するライダーに、感謝の想いを伝える機会でもあります。
 スマイルとうほくプロジェクトでは、コース沿道で応援する石巻市雄勝の住民のみなさんと大会前から交流。一緒に花を植え大切に育て、またハンドマッサージなどで親睦を深めてきました。
 大会当日は「しんみずはまおおはし」を、住民からの感謝の気持ちを伝える場所とすべく、大漁旗がはためく圧巻の景色に、プランターの花々を並べ彩りを添えました。また、スタート・ゴール地点の花王ブースでは、もっと東北への思いを深めてもらいたいと、ライダーを撮影した写真入りツール・ド・東北2018限定花王製品をプレゼント。多くのライダーに喜んでいただきました。
 花王グループからは、7名のボランティア社員が参加。「しんみずはまおおはし」で住民と一緒に花を並べ、花王ブースを運営した 大阪から参加の佐々木さんと、2日目は自らライダーとなって約100キロのコースを走り、「東北の今」に触れた 和歌山から参加の貴島さん二人のレポートをお伝えします。
 
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■花王グループカスタマーマーケティング 佐々木
●参加のきっかけ
 2年前の熊本地震の時、花王の和歌山工場で、熊本に届ける生活用品セットを詰め合わせるボランティアに参加しました。その体験をきっかけに社会貢献の素晴らしさを知り、次は東北のために “わたしにできること”はないかとちょうど探しているときに本活動を知りました。
●現地を訪れて (石巻市門脇町・南浜町、石巻市立大川小学校跡地)
 語り部さんから伺ったお話は、とても心に残りました。最初に訪れた門脇・南浜地区では「メモリアル南浜つなぐ館」を訪問すると共に、実際に住民の皆さんが避難された日和山公園の高台に登りました。当時は真っ暗で寒いなか、一晩を過ごされたと伺いました。日和山公園から見る門脇・南浜地区は、今は建物のない平地になっていましたが、「つなぐ館」で見聞きした以前の街並みや当時の状況などを思い返すと、言葉にできない気持ちになりました。
 2日目に訪れた大川小学校跡地は、ニュースなどで聞いたことはありましたが、実際に伺うのは初めてでした。想像していたよりも周囲の山や北上川が近く、自然災害の怖さを痛感しました。災害に対する普段からの備え、そして今回の出来事を私たちが語り継ぐことが、二度と同じ惨事を繰り返さないことに繋がることだと思いました。
  


 
●住民の方とライダーを応援(石巻市雄勝町「しんみずはまおおはし」)
 沿道から住民の方といっしょにライダーを応援する!この企画を知ったとき、すごく素敵な活動だな!ぜひ私もお手伝いしたい!と思いました。
 今回の一番の思い出となった「しんみずはまおおはし」は、海や朝焼けが綺麗で、道中は鹿にも出会いました。早朝から2時間ほどかけて、地元の方々と大漁旗とプランターをコース沿道に設置をしました。設置をした後は住民の方と一緒に走行するライダーを応援。水浜地区の女性陣がオリジナルの花笠や、うちわ(アイドルも応援できそうなくらい本格的!)を持参し、太鼓を叩いて応援する姿に私も元気をいただき、すごく楽しかったです。印象的だったのは、私たちはライダーへ“頑張って!”と声かけしていたのですが、地元の方は “いってらっしゃい~!”と声かけしていたことです。“頑張って!”だと、一度きりの出会いかもしれないですが、“いってらっしゃい~!”だと、次は“お帰り~!”と声をかける機会がありそう!母やお祖母ちゃんからの言葉のようで、どこか懐かしく、沿道をライダーがこれから何度も訪れるシーンが思い浮かびました。
 ライダーのみなさんは、ほぼ全員が笑顔で手を振り返してくれました。応援はそのひとの力になる!と実感した、とても素敵なひとときでした。

  

  
 
●花王ブース(石巻専修大学)
 花王のブースでは、大会期間中沢山の方々へのお声かけと、“世界に一つだけの記念品”をお渡しさせていただきました。
 ライダーのみなさんやご家族で撮られた写真は、本当に本当に素敵な笑顔ばかりで、 “石巻に行って良かった!”と、思い返せる記念品になったと思います。そのお気持ちは、いつか必ず復興へ繋がるはず!と感じました。

  
 
●私にとっての「東北の今」
 震災から7年ほど経った現地は、初めて訪れた私にとっては当時を感じ取れないほど、整備も進みつつあります。一方、至る所で工事が行われており、時間は進んでいるように見えても、まだまだ復興は半ばと感じました。
 復興とはどのような状況になったときを言うのか、災害に強い街づくりが出来たときなのか、かつての住民の多くが戻ってきたときなのか・・・など、沿岸の現状を目の当たりにしながら様々なことを考えました。
 そして何より、地元の方々の力強さには目を見張るものがありました。お手伝いへ行った私のほうが元気をいただき、心がホッと温かい気持ちになって帰ってきました。
 私は現在、関西に住んでいますので、東北はすこし遠方になります。私と同様にまだ東北を訪れたことがない人も周りには多いです。それもあって今回の活動の出発前・後も、沢山の人が私に声をかけてくれました。東北で“見たこと、知ったこと、感じたこと”は 会社の仲間や友人たちに伝え、また防災訓練なども今まで以上に、真剣に取り組みたいと思います。


 

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■花王 貴島
●ツール・ド・東北参加への思い
 7年前の東日本大震災当時、私はまだ中学生でした。この7年間で多くのことを経験した私も、こうして社会の一員となりました。この7年の間、現地では、復興に向けてどのように歩んできたのか?、沿岸を自転車で駆けながら肌で感じ、私たちは東日本大震災から何を学べばいいのかと思い、参加しました。
●現地を訪れて =1日目=
語り部さんのお話
 震災当時、避難した人たちが登った高台を訪れました。見晴らしの良い山の上から、自分たちが住んでいた街が津波にのまれるのを眺めていたと考えると、とても胸が張り裂けそうな気持ちになりました。震災を体験された語り部さんに、石巻市内を巡りながら当時の状況や、復興状況などのお話をしていただきました。途中、涙をこらえながらお話をしてくださる場面があり、本当ならば思い出したくないのかもしれない当時の話を、こうして私たちにしてくださるその意味をしっかり受け止めなければならないと感じました。

  
 
●ライダーとして沿岸を走る =2日目=
ツール・ド・東北 ~北上フォンド~
 石巻市街から、女川、雄勝、新北上大橋、神割崎と沿岸をまわり、石巻中心街に戻るコース(走行距離100km)に参加しました。コース沿道で応援してれる地域の方々から、たくさんの元気をいただくことができ、大会のキャッチコピーでもある、「応援してたら、応援されてた。」の意味を、身をもって感じることができました。コースの中には工事中の場所の横の道を走ることも多く、復興に向けての動きも肌で触れることとなりました。また途中に設けられた休憩所では、地元でとれた海の幸や郷土料理をふるまっていただき、どれも大変おいしく、疲れた体を癒してくれました。
 地元の方々の応援もあったおかげで、無事に仲間たちとゴールへとたどり着くことができました。東北の自然や、震災の爪痕、復興への兆し、そして人と人とのつながり を大いに感じることのできた素晴らしいライドになりました。

  

  
 
●東北を訪れて感じたこと
 今回の活動に参加して、現地を自分の目で見て、肌で感じて、7年前の東日本大震災の一端を感じることができたように思います。
 震災が起こったとき、私たちに何ができるのか。実際に震災を体験したことのない私には、想像することしかできません。しかし、今回東北を訪れなければ、深く考えることすらもなかったかもしれません。当時、「ここまで来ることはないだろう、逃げるほどでもないだろう。」と考えた人たちは、まさしく今の私たちなのではないかと思います。震災が起こったとき、何ができるのかは正直まだわかりません。ですが今の私たちには、少なくとも東北の人たちの声に耳を傾ける機会や時間があります。過去の震災を、過去のものとして受けとめるのではなく、いつかくるかもしれない未来のことと考え、より深く知る必要があるのではないかと思います。そのためにも、今回私が学んだこと感じたことは、周りに伝えていきたいし、またその役割が自分にはあると思いました。
 最後に、今回、私たちライダーを温かく迎え、応援してくださった地元・地域方々、いろんなことを学び考える機会を作っていただいた関係者、会場となった石巻市のみなさん、本当にありがとうございました!
 
  

  

  

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