それは、東北と日本中を笑顔でつなぐプロジェクト
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人が集い、希望が生まれる小さな浜の発信地。

 まず、最初に訪れたのは、高台から浜の景色を望む絶好のロケーションにある「はまぐり堂」。
築約100年という古民家を改造したその店内は、経年ゆえの落ちついた風合いを見せながら、モダンなセンスをところどころに散りばめた独特の雰囲気に満ちています。

足を踏み入れてすぐにロザンのお二人は、「神戸で、こんなオシャレなカフェ見たことある!」と感想。安田さんも、「思っていたより空間が広くて、素敵ですね」と感激していました。
3人を出迎えてくれたのは、店主の亀山貴一さん。菅さんが、「実際に、この家に住んでいたんですか?」と聞くと、「私が生まれ育った家で、震災当日まで住んでいました」と教えてくれました。

 まずは、今年3月にオープンしたばかりのカフェの成り立ちを、ロザンのお二人がインタビュー。
「震災直後、身重の女房を津波で亡くし、仕事や家族も大変な状況にあってしばらく呆然としていたんですが、地元の人たちや震災ボランティアの人たちと話をしていくうちに、何か地元のために自分ができることがあるのではないかと思ったのがきっかけでした」と亀山さん。そんな気持ちに共感した仲間が集まり、自宅を改築。地元や遠来の人が集い、寛いだ時間を過ごせる空間が誕生しました。
「移動中、きれいな浜だなと思いましたが、本当に蛤浜が大好きなんですね」と宇治原さん。亀山は笑顔で、「はい、そうですね…牡鹿半島には、こういう浜が30以上あります。なかでも、蛤浜は一番小さいんですが、そんな場所から何か希望が生まれるような動きが生まれ、その輪がどんどん広がって欲しいと願いながら前に進んでいます」と答えてくれました。

逆境を乗り越え、浜の再生を目指す

 ゆくゆくは隣家の改築も進め、宿泊施設を作る展望もあるそう。菅さんが「子どもたちが夏休みを過ごしたりするのに、ピッタリですよね!」と言うと、「シーカヤックなどの体験プログラムなども用意して、いずれ子どもたちが浜の自然を満喫できるような場所にしたいと考えています」と目を輝かせる亀山さん。すかさず菅さんは、「でも、今の子どもたちが大好きなニンテンドーDSは手強いですよ?オモロいからなぁ、あれ」と、ちょっとイジワルな問いかけ。
「確かに…。それでも、私自身が子どもの頃に感じた浜の魅力を、都会の子どもたちにも知ってもらえると信じています」と、自信にあふれた笑顔で答えてくれました。

 子どもの話題にふれ、安田さんは、「5月に全国各地から中学生が石巻に来て、このカフェも訪問させていただきますが、子どもたちにどんなことを伝えたいですか」と聞くと、「まずは、今の石巻、そして蛤浜の状況を目にして欲しいと思っています。そして、私たちが愛する故郷を知ってもらえる良い機会になればと願っています」。

石巻が直面している『いま』とは

ライバル同士が手を結び、石巻の水産業を再生。