それは、東北と日本中を笑顔でつなぐプロジェクト
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2014年の活動を振り返って

本プロジェクトを運営する東北三新聞社が、2014年の活動を、それぞれ振り返りました。

岩手日報社

今年度の岩手県の活動では、全国から集まった15人の中学生と釜石市、大船渡市を巡りました。
それぞれの中学生記者が被災地に向ける真摯な眼差しを今も鮮明に覚えています。
昨年8月に釜石市を訪れた生徒から、今年1月、一通の手紙が届きました。
その手紙には、地元に戻ってから被災地を思い出すたびに胸を痛めていることなどが綴られていました。
学校で地震警報器が誤作動した時、真っ先に東北、岩手県の様子が浮かび、怖くて涙があふれたそうです。
誤作動でホッと胸をなでおろした際、今まで他人事だった東日本大震災が「自分の事」に変わったことを実感した、とも記されていました。
この生徒は、友達に取材手帳や資料を見せ、自分の感想を交えて被災地の現状を話してくれているといい、「友達が被災地に興味を持ち、知ろうとしてくれていることがうれしく、自分の事にしてくれていると心があたたまります」と書いてくれました。防災意識も高まり、学校での避難訓練にもこれまで以上に真剣に取り組んでいるそうです。 この手紙を読み、とても胸が熱くなりました。
今回の活動の意義が、まさにここにあると再確認しました。
そして、東日本大震災を自らのものとして受け止め、将来の防災に生かしてほしい、多くの人に語り継いでほしいという我々の願いが届いたことも確信しました。
スマイルとうほくプロジェクトをきっかけに、さまざまな地域から集まった同年代の仲間たちが、これからも「自分の事」として被災地のことを伝え、各地域の防災リーダーとして活躍してくれると期待しています。

河北新報社

2014年の宮城では、仙台市と気仙沼市のそれぞれの都市における防災の考え方を学びました。
仙台市では都市型防災について、気仙沼市では沿岸地域ならではの防災対策を目の当たりにしました。

まず、初めて仙台市を訪れた中学生記者8名は、仙台の大部分で震災の爪痕が見られないことに驚きを隠せなかったと思います。致命的な都市機能を奪われずに済んだ仙台市は、直ちに復旧へ向けて動き、直ちに防災対策への取組みを実践してきました。都市で生活する人々にとって、災害時の不安は、帰宅困難となることです。本来避難場所となるべき場所が帰宅困難者で溢れ返ることで、本来の機能を果たせなくなる。多くの人々が住む大都市だから起き得る大混乱を防ぐことは、並大抵のことではなかったのです。ひとりひとりの常日頃の防災への意識が、来るべき災害への備えになることを、中学生記者8名にも実感できたのではと思っています。

また、気仙沼市内での復興の遅れは顕著。初めて訪れた人にも分かるであろう震災の爪痕に、8名の中学生記者たちはショックを隠せませんでした。そんな取材スタートではありましたが、ひたすら復興へ向けた工事に取り組んできた建設業の人々の熱い想いに触れ、地元の階上中生との交流から並々ならぬ情熱を注ぐ防災活動への取組みに触れ、伝統的な食文化を受け継ぐ若手たちはその食材を東京オリンピックに参加する世界の人々に食べてもらおうという夢を語ってくれました。風化していく震災情報があったとしても、そこに生きる人々の存在は心に刻まれたと確信しています。取材後のレポートを見ると、みんなから「やらなくては」という意思が伝わってきました。嬉しい結果です。

同じ宮城県の中でも違う状況の2つの都市の取材は、とても有意義でした。「防災」の考え方は、当然地域によって違うことが明らかになりました。宮城の被災地を体感した中学生記者16名は、それぞれの地域で起こりうる自然災害に対し、これからどういう防災対策で取り組んでいったらいいのか真摯に向き合っています。被災地出身の我々も、負けられないぞという気持ちになりました。

福島民報社

多くの人の命を奪い、日本から笑顔を奪い去った「あの日」から、4年が経ちます。
目まぐるしく変化を重ねる社会や積み重なるニュースによって「あの日」のことは少しずつ風化し、忘れ去られていっています。
しかしながら原発事故の影響により、未だに生まれ育った土地に戻れない人々がいること、故郷を追われ住民が全国に離散した自治体があることを忘れないでください。
災害はどこでも発生し得るものです。自分が災害に巻き込まれたとき、何をすれば良いのか、どう行動すれば良いのか。何も知らずに行動するのと、災害に備えた知識を持って行動するのとでは大きな違いがあるはずです。
災害の発生を無くすことはできません。
でも人は過去の教訓から“学ぶ”ことができます。
災害の悲しみを無くすことはできません。
でも人は過去の悲劇を“伝える”ことができます。
どれだけの時が経とうとも、どうか「あの日」のことを忘れないでいてください。
どれだけの季節が巡っても、東日本大震災の悲劇を“過去のもの”にしないでください。
東日本大震災で起きた悲劇を繰り返さないように。