大槌町役場前からの『いま』の景色
大槌町役場は、震災時に庁舎建物が全壊してしまい、前町長を含む職員40人が犠牲に。そのため、直後は行政機能がストップし、町全体が混乱状態に陥ってしまいました。仮庁舎は1ヵ月半程で完成し、現在は旧大槌小校舎を修復した新庁舎で町政運営を執り行っています。今回お話を聞いた碇川町長は、5ヵ月以上空席だった町のトップとして2011年8月に就任。復興計画に民意を採り入れながら、暮らしの再建を重視した新たな町づくりに邁進しています。
大槌町ホームページ
http://www.town.otsuchi.iwate.jp
釜石市街を見渡す高台にある日蓮宗の寺院の住職で、釜石仏教会の会長も務める芝崎恵應さん。震災当日は、街の中まで押し寄せてきた津波から避難する住民を受け入れました。後述の下村さんたちとともに、兵庫県・西宮神社で行われている開門行事「福男選び」を参考にして、今年2月「新春韋駄天競走」を実施。高台を駆け上がることで震災の記憶を再現し、次世代に避難意識を伝えるための恒例行事にしたいと願っています。
仙寿院ホームページ
http://senjyuin.info
30代を中心とした地元在住者、もしくは出身者で結成された釜石の復興を支える有志団体「釜石応援団 ARAMAGI Heart」。その中心メンバーである下村さんもまた、釜石の漁師町で育った一人です。津波による悲劇を繰り返さないため、「韋駄天競走」を発案。仙寿院の芝崎住職の協力を得て、開催を実現しました。大きな悲しみを目の前に、地域で開催の是非を問われる事もあったそうですが、避難意識の継承のため奔走しています。
釜石応援団 ARAMAGI Heart ホームページ
http://kamaishi-ouendan.com
防災と地域づくり両面の拠点として、2012年2月に開所した鵜住居地区防災センター。海岸まで約1.2キロメートルの場所にあるため、やはりこの建物も津波の被害を受け壊滅しました。防災センターという名前から、多くの住民が災害発生時に向かうべき一時避難場所として認識。このことが、所内で多くの人が亡くなる悲劇を生んでしまいました。同所で奥様を亡くされた三浦さんは、この取材で防災意識の徹底を訴えました。