ソーラーパネルを前に話を聞く
©Natsuki YASUDA / studio AFTERMODE
最後にバスが向かった先は、須賀川市にある福島空港。福島県などが、再生可能エネルギーの普及と発展のため推進しているメガソーラー施設があります。発電所は、「北発電所」(500kw)、太陽追尾型パネルと30種類のパネルがある「ソーラーパーク」(北発電所隣接で約200kw)、「南発電所」(500kw)で構成。そして、福島県や市町村、民間企業が合同出資して設立した「福島発電」が運営しています。
バスから降りると、そそり立つ大迫力の太陽追尾型パネルが出迎えていました。その下で待っていたのは、福島県企画調整部エネルギー課の吉川正大さんと南相馬ソーラー・アグリパークの安達隆裕さん。まずは、吉川さんからこの施設の概要について説明していただきました。福島第一原子力発電所の事故で、原子力による発電方法に依存してきたことを反省し、新たな電力供給のモデルとして太陽光パネルに着目。実際に使用する上でどんな維持管理が必要か、効率良く発電をするためにどんな技術が求められるかを研究し、整備を進めています。
ソーラーパネルの点検を実体験。
©Natsuki YASUDA / studio AFTERMODE
さらに、子どもたちが再生可能エネルギーについて学べる学習の場としても提供。県外からの復興ツアーの見学場所としても組み込まれています。吉川さんとともにソーラーパーク内を巡りながら、様々な企業の協力で最大1.2メガワット、一般住宅の約330世帯分の電力を作っていることを学習。広大な敷地には数え切れないほどのパネルが並び、中学生記者たちは始終、圧倒されっぱなしでした。
そして、安達さんがインストラクターとなり、ソーラーパネルの巡視点検を行う体験学習プログラムにもチャレンジ。中学生記者たちは“ソーラーエネルギー発電会社”の社員となり、グループごとに分かれて受け持ちのパネルを入念に調査しました。パネルの表面に大きなキズはないか、パネル裏のケーブル線が切れていないか、ロザンのお二人も真剣にチェック。「ほんまの作業員の方は、枚数が多くて大変やろなぁ」と、巡視を終えた菅さんは感心の声を漏らしていました。安達さんは、「これからの未来に直結するエネルギーの問題を、このような体験学習プログラムを通じて、皆さんにも考えるきかっけになってくれればうれしいです」と締めくくりました。
一連の見学を終えて、吉川さんは中学生たちに「長い時間がかかってしまうかもしれませんが、福島県は再生可能エネルギーを柱に復興を目指しています。これから何年も経った未来、日本のあちこちで再生可能エネルギーが普及されるようになる頃には、福島も完全な復興を遂げていることを願っています」と話してくれました。