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郡山市役所 非常時にこそ活躍する拠り所として防災機能を向上。
エントランスでは、防災管理課の本田和也さんが待ち受けていました。

次に向かった先は、郡山市役所庁舎。エントランスでは、防災管理課の本田和也さんが待っていました。庁舎建物を見て、違和感を感じる中学生記者たち。よく見ると、1階部分の外壁には三叉の筋交いが設置されているのが分かります。「震災の揺れが予想以上に大きいものだったので、窓ガラスが割れたり壁に亀裂が入ったりと建物に被害を受けました。改修工事を行う際、建物の強度を上げるため、このような筋交いを設置したんですよ」と、割り箸で作った構造モデルを中学生に手渡しながら、本田さんは教えてくれました。

庁舎内に入り、内部も見学。休日ということもあり静かな雰囲気でしたが、ちょっと薄暗いことに気づきます。「エントランスは、少ない電力で十分な明るさを得るためにLED照明を採用していますし、廊下や会議室などの蛍光灯は、2つあるものは1つ外して節電しています」と本田さん。その工夫に納得してうなずく中学生記者たち。また、屋上に設置された太陽光パネルも紹介された他、窓に冷暖房効率を高めるペアガラスを使っていたり節水用便器を使っていたりと、様々な省エネ対策が施されていることを知りました。

一行は会議室に集まり、詳しい取材をスタート。

一行は会議室に集まり、詳しい取材をスタート。まず、本田さんに震災当時の郡山市の様子を語っていただきました。約2万戸の住宅が全半壊し、庁舎も展望台が潰れて死者が出たり一部が倒壊したりと、その被害は予想以上に甚大でした。中学生記者から「災害に備えて防災訓練などを行っていましたか」という問いに、「毎年、場所を変えながら防災訓練を実施していました。

それでも、このような大地震に遭うのは初めてだったので、郡山市中は混迷を極めました」と本田さん。この震災の経験を糧に、庁舎に耐震補強や非常用の電源設備といった機能を持たせ、防災拠点施設となるよう大規模な改修を実施。昨年3月、大幅に耐震性を向上した新庁舎が完成しました。停電時には、非常用電源と太陽光パネルからの電力を併用して、災害対策本部の電源を確保するシステムも構築。

本田さんは笑いながら「電力は十分供給されていますが、日頃から省エネを心がけているという姿勢を市民の方々へアピールするため、皆さんの手本となるよう率先して取り組んでいます」と答えてくれました。

「蛍光灯を外して省エネするのは素晴らしいアイデアだと思いますが、郡山市は今も電力が不足しているんですか」という中学生記者の質問に、本田さんは笑いながら「電力は十分供給されていますが、日頃から省エネを心がけているという姿勢を市民の方々へアピールするため、皆さんの手本となるよう率先して取り組んでいます」と答えてくれました。そして、ホワイトボードに“梅”という漢字を書き、「地名には、その土地がどんな場所かを知る手がかりがあります。例えば“梅”という漢字が使われている場合は“埋”、つまり水のあった場所を埋め立てて造った土地である場合が多いようです。このように、先人の知恵に学ぶことも災害対策には有効だと考えています」とも話してくれました。

失ったからこそコミュニティの力を培い、前進する強さを。

エネルギーの新しい未来を福島の地から拓くために。