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震災6年「今度は自分たちが」 釜石東中生、防災訓練を主導

  • 2017-09-02 05:00:05
kamaishihigasi170902

岩手県釜石市鵜住居(うのすまい)町の釜石東中(佐々木賢治校長、生徒116人)は防災の日の1日、市の防災訓練に参加し、生徒主導で高齢者の誘導や避難所開設に当たった。東日本大震災で、同校生徒は率先避難を徹底。当時小学生だった生徒たちは震災から6年を経て、率先避難とともに地域防災をリードする「率先支援者」にもなり得るよう、意識と取り組みを進化させている。

午前9時に市の防災行政無線が大津波警報発令を告げると、1年生が学校敷地内にある行政無線のスピーカーを使い、避難所の同校へ直ちに逃げるよう住民に重ねて呼び掛けた。

15分後には、近隣の復興公営住宅から徒歩や車いすで逃げて来た住民を2年生が誘導。3年生は体育館に避難所を開設し、避難者に氏名と住所、持病やアレルギー、かかりつけ医などを個票に書き込むよう促した。床に体育用マットを敷いて座らせ、防災倉庫から毛布や水、備蓄用パンなどを運び込んだ。妊産婦らに配慮した間仕切りも設置し、訓練開始から約25分で住民約20人を受け入れた。

震災時に小学校2年生だった古川真愛(まなと)さん(3年)は「津波から逃げた時のことを今もはっきり覚えている。中学生なのでもっと子どもやお年寄りたちの力になりたい」とうなずいた。

【釜石の奇跡(出来事)】釜石市では当時の全児童生徒2926人のうち、犠牲者は休みなどの5人(小学生3人、中学生2人)だった。釜石東中の生徒は防災教育の学びを守って自主的に高台に避難し、隣接する鵜住居小の児童も一緒に逃げた。「釜石の奇跡」として全国の注目を集めたが、子どもから大人への広がりを目指した「津波てんでんこ」の避難行動は不十分で、鵜住居地区などで大勢が亡くなった。市は2013年から「出来事」と表現している。

【写真=体育館に開設した避難所で避難者の受け付けを訓練する生徒たち=1日、釜石東中】

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