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宮古・磯鶏住民有志 津波備え地域内配布

  • 2020-10-24 05:00:19
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岩手県宮古市磯鶏(そけい)地区の磯鶏町内会連合会(坂下幸子会長)と住民有志(三浦直志代表)は、同地区に残る明治の津波記念碑を解説するリーフレットを作成した。11月初旬までに地区の1440世帯に配布し、先人による津波の壮絶な記録と命を守る教訓を住民が共有する。本紙連載企画「碑(いしぶみ)の記憶」がきっかけ。住民が主体となり、碑を地域防災に活用していく。

リーフレットはB4判。同市磯鶏石崎の国道45号沿いにある1896(明治29)年の三陸大津波の「海嘯(かいしょう)記念碑」に刻まれた内容を紹介している。
同津波で旧磯鶏村は90~100人が死亡。石碑は村民と有志が七回忌を機に建立した。碑文によると、端午の節句で各世帯が祝い酒を酌み交わしていたが「阿鼻(あび)叫喚の地獄」に一変。数回の地震後、遠雷のような異音が鳴り響き、津波が2度押し寄せた様子を漢文で克明に描写している。
9月の記事掲載を受け、住民有志らがリーフレットの作成を企画。そけい幼稚園の晴山洌(きよし)理事長(86)らが資料を集め、分かりやすい内容にまとめた。経費は有志で負担した。
市広報に折り込む形で、地区内に配る。坂下会長(68)は「若い世代では津波記念碑の存在すら知らない住民も多い。多くの人々に周知し、早期避難の重要性を感じてもらいたい」と意図を語る。
地域防災に活用するため、住民の目につきづらい場所にある記念碑の移設も市に求めていく方針。三浦代表(88)は「先人が子孫のために書き残した貴重な教訓を、命を守るために積極活用していきたい」と決意する。

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