それは、東北と日本中を笑顔でつなぐプロジェクト
スマイルニュース

「がんばろう!石巻」看板/3代目 教訓伝承新たに

  • 2021-04-29 05:00:23
IP210412KAH900023000_00

石巻市の石巻南浜津波復興祈念公園の一角にある「がんばろう!石巻」と記された看板が11日、3代目に付け替えられた。津波で甚大な被害を受けた門脇・南浜地区で10年にわたり被災者にエールを送ってきた。震災の教訓を伝えるための新たな一歩が始まった。

3代目の看板は縦約2メートル、横11メートルで初代から大きさ、デザインとも同じ。2代目と同様、市門脇中の生徒が制作に協力した。
11日に現地で設置作業があり、市民団体「がんばろう!石巻の会」事務局長の黒沢健一さん(50)と会員の計6人が参加。枠に取り付けられた2代目の看板を外し、12枚のベニヤ板から成る3代目に替えた。
初代の設置は10年前の2011年4月11日。門脇町で配管工事業を営んでいた黒沢さんが津波で流失した店舗兼自宅跡に建てた。材料は被災した地域で見つけたベニヤ板を使った。黒沢さんは「津波に負けず、地域の人を励ましたい思いだった」と振り返る。
復興が進み、周辺は犠牲者追悼と津波の教訓を発信する場になった。看板の老朽化と公園整備に伴って16年4月、門脇中の生徒がペンキで文字を塗った2代目を現在の場所に設けた。
「次の災害で犠牲になる人を少しでも減らしたい」と黒沢さん。看板は5年ごとに作り替え、震災の記憶を伝えていくという。【2021年4月13日 河北新報朝刊 写真=付け替えられる3代目の「がんばろう!石巻」看板】