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一般財団法人 会津若松市観光公社 観光推進企画グループ リーダー 新井田 信哉さん 閣内解説ガイド員 遠藤 優貴さん 風評被害に負けず、堂々たる城郭のように。
会津が誇る名城『鶴ヶ城』

最後に目指したのは、会津が誇る名城『鶴ヶ城』。戊辰戦争でも落ちなかった堅固な城として知られていますが、昭和40年に再建されてから観光客に人気が高まりました。その立派な石垣を目の当たりにして、思わず感激のため息をもらす一行。観光案内所では、会津若松市観光公社の新井田さんとガイドの遠藤さんが待ち受けていました。

まず、案内されたのは、栃木県那須町立黒田原中学校二年生が制作した「激励の横断幕」。“心を一つに今立ち上がれ!”といったメッセージを綴った横断幕を携え、実際に鶴ヶ城を来訪してくれたそうです。同じ中学生たちが込めたひたむきで熱いエールに、思わず見入ってしまう中学生記者たち。ロザンのお二人もかみしめるように、横断幕の文章を読み上げていました。

栃木県那須町立黒田原中学校二年生が制作した「激励の横断幕」

栃木県那須町立黒田原中学校二年生が制作した「激励の横断幕」

鶴ヶ城本丸に近づくと、その威風堂々たる姿に圧倒されます。入口近くには券売所があり、その外壁には放射能測定器が設置されていました。ここで観測された数値は随時「会津若松観光ナビ」ホームページで報告。遠藤さんは、「この測定器があることはあまり知られていないようですが、関心は高いようですね」と話してくれました。この日、ガイガーカウンターで放射線量を計測してみましたが、やはり低い数値しか計測されませんでした。

外壁には放射能測定器が設置されていました
外壁には放射能測定器が設置されていました

正しい数値を理解することも、風評払拭への一歩

鶴ヶ城の天守閣は、平成23年春に幕末時代と同じ“赤瓦”に葺き替えられ、リニューアルデビューをする予定でした。告知用の新聞広告を持つ新井田さんは、「せっかく新たな装いとなった姿を華々しくお披露目したかったのですが、本当に残念でした」と苦笑い。震災直後は客足が極端に減り、城址公園は未だかつて無いほどさびしい雰囲気だったそうです。「それまでは、毎日ひっきりなしに見学のお客様をご案内していたのですが、10人に満たない時もあり、思わず不安になりましたね」と遠藤さん。中学生記者から、「初めてお客さんが来た時はどんな気持ちでしたか?」と聞かれ、「胸が詰まって、言葉にならないほどうれしかったです」とも。

現在は、NHK大河ドラマの影響もあり、見学者の数も増加しつつあります。遠藤さんは、「鶴ヶ城の魅力はもちろんですが、会津にまた来たいと思ってくれるようなご案内ができればと思っています。また、震災前に来ていただいた方に、また安心して観光してもらえるよう、安全に関する情報を発信も続けていきます」と話してくれました。

観光客が震災前の水準に戻ることを願う

観光客が震災前の水準に戻ることを願う

人の温もりでもてなす、会津の心意気。

中学生記者の感想 ロザンの『いっしょに考えよう』コーナー