
上辻晴紀くん(大阪府/常翔学園中学校3年)
震災で辛い思いや悲しい思いをしたはずなのに、みなさんが笑顔で迎えてくれたことが心に響きました。被災地の過酷な状況を知って、自分たちも防災に関してしっかりと備えをしておくべきだと思いました。
村松樹くん(大分県/佐伯市立米水津中学校2年)
実際に現地を訪れることができて、テレビなどを見ただけでは知ることのできない事実を学べたことが良い経験となりました。また、同じ中学生が、大変な経験をしているはずなのに、明るさを失っていないことに安心しました。
門脇翔真くん(鳥取県/境港市立第三中学校2年)
被災地の方々が、お互いに支え合いながら、それぞれに頑張って生活していることを知ることができました。そんな中でも、笑顔を絶やさず、他人に接することができる人たちに出会えて、改めてすごいなと思いました。
下川原絢菜さん(神奈川県/横浜国立大教育人間科学部付属 鎌倉中学校2年)
被災地の過酷な状況があったのに、そんな困難に負けず笑顔で接してくれる人たちとお話をすることができ、私も頑張らなければいけないなと感じました。帰ったら、災害対策の重要性や地域のつながりの大切さを、身近な人たちに伝えていきたいと思います。
正岡碧海さん(滋賀県/立命館守山中学校2年)
滋賀県には海が無いので、実際に津波の被害があった場所を見た時、自分が持っていたイメージとまるで違っていたので、とてもショックを受けました。それでも、自分の目で確かめられたことが良かったと思います。
最終回の取材となった今回は「ふるさとへの想い」をテーマとし、自分たちが生まれ育った故郷に帰ることができない人たちの『いま』を知ることで、その想いを自分たちに当てはめ、「自分たちができることは何か」を見つけ出すことが目的でした。
最初に訪れた双葉町は東日本大震災直後に発生した東京電力福島第一原発の事故により、町全体の96%が帰還困難区域に指定されています。復興には相当の時間が必要となります。現在はいわき市に役場機能を移し、多くの方々がいわき市内の仮設住宅に住んでいます。
双葉町民は役場機能が移転する度に離れ離れになっていきまいた。伊澤史朗町長の「帰還できるその日まで町民の絆を維持するために町として全力を尽くす」という強い言葉が印象的でした。また、仮設住宅の自治会長を務める斉藤宗一さんも厳しい避難生活を送りながらもふるさとへの想いは強く、それだけに帰ることができない現状に悔しさをあらわにしていました。
いわき市立豊間中学校では福島県外の中学生と地元の中学生の出会いの場を作りました。ここでは同世代でさまざまな意見交換がされました。大分県から来た松村樹君が全校生徒で作った千羽鶴を手渡した際、会場は大きな拍手で感動に包まれました。豊間の中学生も全国の友達が自分たちを応援してくれていることを実感したに違いありません。小学校に間借りしながらの学校生活が一刻も早く終わり、復活した新しい校舎で元気に勉強できる日が一日でも早く来るよう願ってやみません。
清水敏男いわき市長との懇談では、復旧・復興に向けた市の取り組みなどについて取材。震災から3年経つ今でも、多くの人たちが苦しい避難生活を余儀なくされている現実を知ることができたのではないでしょうか。
被災して避難している人たちの心の傷は癒えていません。避難生活を送らずとも、あらぬ風評被害に苦しむ人たちは未だに多く存在しています。今回訪れた中学生はその事実を過去のものとせず、今まさに同じことが自分に降りかかる可能性を実感したことでしょう。一番恐ろしいことは忘却。すなわち「風化」です。あの震災の恐怖は新聞やテレビの中の「他人ごと」ではないのです。自分や自分が大切に思う家族や友人に1秒後に起きることを想定し「自分ごと」として考えてもらいたいです。そして周りの人たちと話し合うことの大切さを忘れないで欲しいです。
「ふるさとへの想い」は全ての人が抱く共通のものです。10回に及ぶそれぞれのテーマの集大成と言えるひとことは「ふるさとへの想い」でした。それを発見することができた取材となりました。