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【福島】名シェフ故郷に恩返し オランダ県人会長の石川武司さん

  • 2018-10-18 05:00:54
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オランダの一流ホテルで料理長を務めた伊達市霊山町出身の石川武司さん(73)=オランダ県人会「オランダふくしま会」会長=は十一月二十日、同市の道の駅伊達の郷りょうぜんで「料理の集い」を開く。伊達鶏などの調理のこつを伝え、地元の食材の魅力を発信する。海を渡って約半世紀。古里の山河を心の支えに修業を重ね、名シェフとして知られるようになった。料理を通じ、生まれ育った場所に恩返しがしたい-。万感の思いを胸に今、厨房(ちゅうぼう)に立つ。
石川さんは中学卒業後、東京都のホテルオークラ調理部などに勤務し、二十六歳でオランダのオークラ・アムステルダムに移籍。現在の天皇、皇后両陛下、皇太子さまが現地を訪れた際、調理を担当した「皇室の料理番」だ。オークラ・アムステルダム料理長として名をはせ、二〇〇五年に退職した。現在、アムステルダムで暮らしている。
福島市に住む知人から、伊達市で初めてとなる道の駅が今年三月にオープンしたと聞いた。ヨーロッパ仕込みの料理を住民らに披露し、伊達の郷りょうぜんの名前をさらに広めたいと願った。思いは知人を通じて道の駅側に伝わり、一時帰国する十一月に料理の集いを開くことが決まった。
当日は受講者を前に、伊達鶏のドリアのほか、伊達鶏の照り焼きと唐揚げ、ふわふわ卵を入れた丼などを解説を交えて作り、試食の時間を設ける。家庭の調理器具を使い、手軽にできるメニューを選んだ。デザートとしてオランダのチョコレート、コーヒー、紅茶も提供する。
集団就職で上京し、オランダに渡って以来、霊山の野山、懐かしい人々の顔を思い出さない日はなかったという。心の真ん中にある古里の風景が厳しい修業に耐え抜く力となり、ヨーロッパで知られるシェフに上り詰めた。
料理は人を笑顔にする-が信条だ。「東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で、古里の人々は大変な思いをした。私の手作りの料理で、心を温めてほしい」と願っている。
道の駅伊達の郷りょうぜんの酒井祐一駅長(45)は「一流の料理人の包丁さばきが楽しみでならない。道の駅の名前と伊達の食材が広まるきっかけになる」と期待している。

■参加者募る 民報社後援定員20人

石川武司さんの「料理の集い」は道の駅伊達の郷りょうぜんを運営するりょうぜん振興公社の主催、福島民報社の後援で、受講者を募集している。
定員20人で受講料として1000円が必要。11月20日午後3時30分から道の駅内の「だて食庵」で開く。希望者は福島民報社産業振興部に氏名、住所、電話番号を明記し、ファクスで申し込む。ファクスは024(533)4128、問い合わせは平日の午前9時から午後5時まで同部 電話024(531)4087へ

【写真説明】古里・霊山で「料理の集い」を開く石川さん

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