岩手県野田村の野田小（安倍哲矢校長、児童１８７人）は１６日、伝統のマラソン大会を開いた。これまでは学校周辺の村道をコースとしてきたが、津波浸水跡地の約１９ヘクタールに今年６月に開園した十府ケ浦（とふがうら）公園を初めて会場にし、応援に駆け付けた地域住民と復興の実感を分かち合った。子どもたちの元気な姿こそ村民に活気を与え、風化防止にもつながるとの考えから、来年度以降も同公園で開催する。

児童は青空の下、３コースに分かれ、公園内の舗装道を駆けた。集まった５０人以上の地域住民から「あとちょっとだ」「よく頑張った」と声援と拍手を送られ、全員が力を出し切った。

公園は村が復興事業の一環で整備。緑化地帯や桜並木、遊具などが設けられている。震災前は住宅などがあった同公園を活用することで、児童が震災を考えるきっかけとし、村中心部の盛り上げにも寄与する。

【写真＝十府ケ浦公園内を駆け抜ける野田小の児童。地域住民の温かい声援が送られた】

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