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震災教訓生かし 安心を避難者に/気仙沼/災害時物資の集配拠点完成/防災関連の会合にも利用

  • 2021-09-14 05:00:34
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気仙沼市が同市赤岩牧沢の市総合体育館敷地内に整備し、大規模災害時に1万5000人分の救援物資を集積・配送する「市防災物資集積配送基地」が完成し8日、報道陣に公開された。運搬に使うパレット(荷台)などの備品を調達の上、10月に本格運用を始める予定。

鉄骨2階、延べ床面積1800平方メートル。協定を結ぶ自治体や団体から届く食料品や生活用品など数日分の物資に対応できる。平時は紙おむつや生理用品などの一部物資のみ備蓄する。
東日本大震災では同市四反田の旧青果市場を集配拠点としたが、設備が不十分で混乱した。教訓を生かし、出入りするトラックの渋滞を防ぐため搬入・搬出口を別々に設け、フォークリフトで直接荷を運べるよう床の高さをトラックの荷台と同じに整備。停電でも3日以上、自家発電できる非常用電源も備えた。
災害時の情報収集拠点となる事務室や、市職員の長期滞在も見据えた仮眠室・シャワー室を完備。会議室もあり、普段は自主防災組織の集会など防災に関する会合に活用する。
市は本吉総合・唐桑の両体育館も物資の搬出入がしやすいよう改修。事業費は計約6億円で国の復興交付金を充てた。三つの拠点を合わせ、震災と同規模の市内約2万人の避難者に円滑な支援が可能となった。
阿部久人危機管理監は「震災クラスの災害にも対応できる集配拠点ができ安心している」と話した。【2021年9月9日 河北新報朝刊 写真:報道陣に公開された集積配送基地の内部】