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二本松の酒と浪江の花共演、復興の絆 入浴剤に 二本松、アートディレクター・馬場さん考案

  • 2021-01-20 05:00:42
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福島県二本松市を拠点に活動するアートディレクター馬場立治さん(52)=千葉市出身=が二本松市の日本酒や浪江町産のトルコギキョウなどを組み合わせた入浴剤セットを考案し、販売を始める。東京電力福島第一原発事故で避難した浪江町民を受け入れるなど、両市町が紡いできた絆を一つの形にした。「湯に咲く“希望の花”を通して復興を発信したい」。東日本大震災から丸十年となる三月十一日までの発売を目指している。入浴剤は「酒風呂」の一種として、日本酒を入れた湯船に花を浮かべて楽しむ趣向だ。使用する純米酒は市内の大七酒造の協力で、入浴に適したアルコール度数に調整した。トルコギキョウは馬場さんが浪江町の生産者から仕入れ、自らの腕を生かしてドライフラワーに加工している。「二本松、浪江の魅力が一緒に感じられる」と、思いを込めて準備を進めている。東京都でデザイナーとして働いていた馬場さんは震災後、復興庁の依頼を受けて県内で地域活性化事業に携わった。いわき市や会津若松市、二本松市などを一~二年ずつ渡り歩くうち、「じっくりと腰を据えて持続可能な事業に挑戦し、復興に至る道を見届けたい」との思いを強めた。二〇一七(平成二十九)年、浪江町のトルコギキョウ生産者に出会った。二本松と浪江の絆を形にすることはできないだろうか-。自分が進むべき方向性が見えた気がした。二〇一九年春、活動拠点を東京都から二本松市に移した。住民のアドバイスを受け、土産品にしやすい入浴剤を作ると決めた。市内の知人宅や温泉旅館に試作品を持って行くと、時には厳しい指摘も受けた。「本当に売れる、PRにつながることを考え、率直な意見を寄せてくれた」。地域の人々の親身さと温かさに感謝している。二〇一九年秋の台風19号によるトルコギキョウの被害や新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響を受けたが、試行錯誤を重ねて事業化に道筋を付けた。商品には「浪江」と「花が見える」を掛けて「ハナミエ」と名付けた。市内の温泉旅館の売店やインターネットなどで販売する予定だ。岳温泉の旅館「陽日の郷あづま館」の鈴木美砂子女将(おかみ)は「完成が楽しみ。旅館に置いて観光客らに土産品として買ってほしい」と期待を寄せる。トルコギキョウの花言葉は「希望」。馬場さんは入浴剤を通して「復興の希望を肌で感じてほしい」と願っている。

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