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村上桃菜さん、水野果凜さん( 岩手県大船渡市 )  友情の絵 心に花咲く

  • 2020-12-02 05:00:26
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周りは知らない大人ばかり。家を失い、見つからない家族を捜す人たち。東日本大震災で自宅を流され、冷え込む大船渡中体育館で小さな心を震わせていた2011年3月17日、大好きな友達が服を届けてくれた。
大船渡東高1年の村上桃菜(ももな)さんと水野果凜(かりん)さんは、物心ついたころからずっと一緒の幼なじみ。被災しなかった水野家が同校避難所を訪れ、家族ぐるみで仲のいい村上家を見舞った。
毛布に支援物資のスケッチブックを広げ、一緒に津波の絵を描き始めたら、気持ちが軽くなった。カラフルなペンを走らせるほど、真っ黒な津波の影が薄れていった。
2人は同市の明和保育園で仲良しになり、満開の桜とともに入学した大船渡小でも6年間同級生だった。大船渡中では卓球部で競い合い、高校は一緒に華道部を選んだ。
小学校では「もう遊ばない」とたまにけんかしたけれど、中学校からは一度もない。避難所暮らしの寂しさも、試合で負けた悔しさも、恋の悩みも喜びも、いつも分かち合ってきた。
異文化に憧れ、世界を夢見る水野さんと、大人しくて控えめな村上さん。卒業したら、多分、別の道を歩むと思う。「でも大船渡はずっと2人の古里で、私たちはずっと友達」「どんなに時間がたって、遠くに離れてしまっても、きっと何も変わらない」。未来のことは分からないけれど、誓うように声をそろえる。
親友と呼べる人がいる幸せを感じた、16歳の冬。バラの香りが笑顔を誘う。

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