それは、東北と日本中を笑顔でつなぐプロジェクト
スマイルニュース

若者の縁紡ぐ製塩 陸前高田に移住 坪井さん(愛知出身) 姉妹都市でチーズに 益金使い交流支援

  • 2020-11-20 05:00:42
0201116G00324-03

東日本大震災の復興支援が縁で岩手県陸前高田市に移住した坪井奈穂美さん=愛知県日進市出身=が、陸前高田市の海水を使った製塩に取り組んでいる。塩は同市の姉妹都市である米カリフォルニア州クレセントシティ市の企業がチーズの加工に使い、益金を両市の若者の交流に役立てる構想。坪井さんは「子どもたちが世界とのつながりを実感し、将来に希望を持つきっかけになればいい」と願う。

製塩にはまきストーブを使い、ろ過した海水を数日かけて鍋で煮詰めて徐々に水分を蒸発させる。月内に約11キロを作って届け、クレセントシティ市の加工会社がチーズを製造。震災の津波で流出し、同市に流れ着いた高田高の実習船「かもめ」にちなんだ「KAMOME」の名で2021年冬に現地で売り出す予定だ。
両市は「かもめ」の漂着が縁で14年に高校生の相互訪問などの交流を始め、18年に国際姉妹都市を締結した。坪井さん自身も昨年12月に市民交流団の一員として現地を訪問。陸前高田市では塩が生産されていないため野田村の「野田塩」でチーズを製造していると加工会社から聞き、地元の海水で塩を作ろうと考えた。
坪井さんは11年5月に災害ボランティアとして本県を訪れ、12年に移住。児童生徒の学習や地域活動を支える中で、将来の選択肢の少なさを嘆く声があることや地元を離れる若者の多さに気付いた。「国際交流は子どもたちが夢を見いだすきっかけになるはず。高田のことを思ってくれているクレセントの人々の思いにも応えたい」と力を込める。
塩作りには復興庁のクラウドファンディング(CF)支援事業を活用し、29日まで資金協力を募っている。1口3千円から。支援者には返礼として交流団の仲間でもある市内事業者の菓子や木工製品などを贈る。詳細はCFサイト「グッドモーニング」へ。

〔まきストーブで海水を煮詰め、塩作りに取り組む坪井奈穂美さん〕

********************* 「読む」復興支援 スマイルニュース iPhoneアプリDLはこちら AndroidアプリDLはこちら スマイルとうほくプロジェクト公式サイト *********************