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復興の思い受け継ぎ桜植樹 釜石・唐丹の本郷地区

  • 2017-04-23 05:00:08


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 桜に込めた復興の願いが、時代を超える。釜石市唐丹(とうに)町本郷地区の住民らは、東日本大震災から立ち上がろうと桜の植樹に励んでいる。同地区には、1933(昭和8)年の三陸津波で被災した住民らが復興を願って植えた桜並木が残る。84年後の今、住民たちは咲き誇る桜に先人が込めた思いを受け継ぎ、新たな桜並木を後世に託す。
 本郷町内会の小池直太郎会長(70)らは、2013年から県道沿いに約50本を植樹。22日は1週間前に植えたばかりの苗木を見回った。多くの花見客でにぎわう従来の桜並木と見比べながら「まだまだこれから」「シカから守らないとね」と、順調な成長を願った。
 釜石市南東部の同地区は、昭和三陸津波で被災。住民は翌34(昭和9)年から地域の復興を願い、旧国道沿いや川沿いに約2800本の桜を植えた。今では樹齢80年を超えたソメイヨシノが見事な桜並木となり、人々を楽しませている。
 新たな桜並木をつくる試みは2009年に始まっていた。県道桜峠平田線本郷バイパスの全線開通を記念し、同町内会などが延長1・53キロのバイパス沿いにソメイヨシノとオオヤマザクラの苗木約230本を植樹した。
 従来の桜並木と併せて観光名所にするはずだったが、東日本大震災で一帯が津波にのまれ、新たに植えた桜の約8割が流失した。シカの食害もあり、残ったのは10本ほどだった。
 先人の思いをつなぎ、新たな歴史を築くため住民は植樹を続ける。小池会長は「細く長く続けていきたい。桜は本郷の復興の象徴だ」と思いを込める。
【写真=1週間前に植えた苗木を前に「早く大きくなって」と願いを込める地域住民=22日、釜石市唐丹町】





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