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南三陸・松原干潟/工事完了で変化は?/志津川高生が生物調査/83種発見 希少種のカニも

  • 2021-06-10 05:00:20
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南三陸町の志津川高自然科学部の生徒が5月29日、東日本大震災の津波で同町の八幡川河口に復活した松原干潟の生物調査に取り組んだ。

調査は2017年から毎年行っている。同年2月~昨年8月に整備された河口の導流堤には、汽水域を維持するため川の水が流れ込む水路が設けられた。導流堤整備後は初の実施で、生態の変化を確かめた。
生徒9人が町自然環境活用センターの研究員らの指導を受けながら、石の裏側や砂に隠れた生物をスコップなどで探し、素手や網ですくって捕まえた。
センターでの種類特定で、貝やカニ、魚など暫定で83種類を発見した。17年調査で町内で初めて発見された、希少種のカネココブシガニも4年ぶりに見つかった。
松原干潟は1960年のチリ地震津波後、防潮堤と公園が整備されて消滅。東日本大震災の津波で防潮堤が壊れ、再び干潟になった。干潟を保つため、地元住民団体が要望し、県が整備する周辺の防潮堤は当初計画より内陸側で工事が進められている。
導流堤工事が終了し、工事車両の通路やがれきが撤去され、干潟は以前より広くなった。同校2年の高橋龍司さん(16)は「探す範囲が広がり、部員のスキルも上がった。1年前には見られない生物もいた。さらに豊かな干潟になるといい」と話した。【2021年6月8日 河北新報朝刊 写真:八幡川河口の松原干潟で生物を探す生徒たち】