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木桶でしょうゆ造り再び 塩釜・太田與八郎商店 伝統の醸造法残す

  • 2020-04-04 05:00:10
据え付けられた木桶。伝統のしょうゆ造りに活用される

東日本大震災で被災した宮城県塩釜市のしょうゆ醸造「太田與八郎商店」が、木桶(おけ)を使った仕込みに再び挑む。津波で木桶が傷んだため使用を取りやめていた。香川県小豆島で新調したものを使い、全国でも減りつつある伝統のしょうゆ造りの維持に努める。
太田與八郎商店の創業は1845年。木桶は昭和50年代まで仕込みに使い、その後も不純物を取り除く際に活用していた。震災後は使用を休止し、仕込みには繊維強化プラスチック製を使ってきた。
塩釜市で11月に全国醤油(しょうゆ)サミットが開かれるのに合わせ、伝統的な食文化を伝えようと「木桶仕込み醤油復活プロジェクト」に着手。クラウドファンディングで費用の3分の1の100万円を調達し、小豆島で木桶の製作を進めてもらった。
完成品は竹製のたがを締めたスギ製で、高さ、開口部直径はいずれも2メートル。3600リットル入る。2月末に店に到着し、市内の日本酒の蔵元の協力で据え付けた。
木桶によるしょうゆの完成には1年半~2年かかる見込み。原料に宮城県産の大豆、小麦などを使い、サミットの際はもろみの状態で披露する考えだ。
全国ではステンレス製やホーロー製の醸造桶が増え、木桶で造ったしょうゆの流通量は約1%にとどまるという。大型木桶を製造できるのは国内では大阪府の1カ所しかなく、小豆島で木桶職人復活を目指す活動が進んでいる。
店主の太田真さん(50)も小豆島を訪れて底板のはめ込み、たが締めなどに携わった。太田さんは「スギ材は香りが良く、繊維の中の微生物が発酵時に活躍し、しょうゆがまろやかな味になる。丁寧に醸造したい」と意気込んだ。【4月1日付河北新報朝刊、写真=据え付けられた木桶。伝統のしょうゆ造りに活用される】

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