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<震災7年>母への思い抱え進む 大船渡の男性、復興工事に奔走

  • 2018-03-10 05:00:53
前田輝男さん

大船渡市赤崎町の運送・建設会社経営前田輝男さん(61)は、東日本大震災の津波で同市三陸町越喜来の特別養護老人ホーム「さんりくの園」に入所していた母つね子さん=当時(87)=を亡くした。「助けられた命だったのではないか」とのいら立ちは消えないものの、古里再生の使命感を抱いて復興工事に奔走する。最愛の母への追憶と次世代へつなぐまちづくり―。複雑な思いを胸に、7年の「節目」を迎える。

利用者と職員計58人が津波の犠牲となったさんりくの園の跡地は現在、本設商店街が営業し、当時の面影は薄れつつある。母が最期を迎えた場所を見つめ、前田さんは「最初はしょうがないと思っていたけど、近くにあった幼稚園の子は逃げて無事だった。避難誘導してくれていたら助かった命だったと思うと腹が立ってくるよ」とやりきれなさを吐露する。

真面目な性格のつね子さんは、水産会社に勤めるなどして家庭を支えた。裕福ではなかったが、つね子さんが資金を工面し、前田さんの結婚式を挙げてくれたのは大切な思い出だ。

「今でも母親が夢に出てくる。夢でも会いたいということかな」と在りし日に思いをはせる。

【写真】さんりくの園跡地近くで母つね子さんに思いをはせる前田輝男さん。悲しみと復興への使命感が交錯する=大船渡市三陸町越喜来

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